人が集まる場所。町内会。

もうすぐ我が大村市もオリジナルのアプリがリリースされる。ポータルアプリの「おむすび。」そして地域通貨の「ゆでぴ」。これは大村市の“しあわせ循環コミニティ事業”として、デジタルの力を活用し、全市民参加型のコミニティ実現を目指すそう。

くめ編集長

ちょっと!デジタルも良いけどさ、町のザ・コミニティとしての『町内会』を忘れてないかい?

コミニティ循環とうたったアプリがリリースされることによって、改めてコミニティが見直されいるのか、やたら最近話題になってきている『町内会』の価値。「入るメリットデメリットは?」「ゴミの収集?」「回覧板まわすのが面倒、その情報こそデジタル化すれば?」など。「加入率が少ない」危機感もある。

そもそも時代は変わってきていてコミニティの場が多数出現している。ネット上でもコミニケーションとれる時代だし。

じゃあ『町内会』なんていらないじゃん。

いやちょっとまてよ、実は昔、町内会おもろいかもと思えるような出来事があった。この記事は2020年ビーハッピーおおむらフリーペーパー創刊号に掲載されたもの。いま改めて読んでいただきたく特別にWEB配信します。

くめ編集長

きっとさ、コミニティとはなんぞやを改めて考える時・・・なんじゃない?価値が価値として伝わらないと、アプリも町内会も変わらない気がするよ。

貴方が思う「コミニティ」は?ぜひご意見伺いたい。

町内会総会の衝撃

町内会に興味を持ったのは、宮小路二丁目に引っ越してすぐ、初めて参加した町内会総会だった。

 町内会総会といえば、会計や事業の報告が淡々と行われるイメージだったが、この時の会は違った。長年務められてきた町内会長の退任、次期会長が「決まらない」為、大もめにもめたのだ。理由のひとつは、次に会長になるとずっと辞められない可能性があるから。誰もやりたがらない。めちゃめちゃわかる。誰がやるのか、どうするのか。班で分かれて話し合いが設けられたりと、遅くまで行われた。

普通だとここで「あぁ町内会なんて入らなければよかった」と思うだろう。しかし、宮小路二丁目の皆さんは、真剣そのものだったのだ。いち個人に負担がいかないよう、どうにか運営できないものかとそれぞれが意見を出し合っていた。自分が普段接する以外での大人達が真剣なところを見て、衝撃を受けたのだ。

町内会「解散」を意識

 話し合いの中で「解散」という言葉も飛び交った。町内会って解散するのか!ずっとあるモノと思っていた。解散となると、町内会で管理されていたものがすべてなくなる。外灯の管理がなくなれば、治安が悪くなる可能性だってある。隣に誰が住んでいるか分からない。困るのは結局自分だ。

町内会の良さを認識

 会長問題は、結果、当面「二年間の持ち回り」で解決した。四年近くたった今もうまくいっているようだ。この珍しいともいえる会に、越してまもなく真剣に参加した為、比較的若い私達夫婦を覚えてもらったようで、ご近所の方に会うと声をかけてくれるようになった。「あの家に引っ越してきた誰か」ではなくなった。

昨今のトイレットペーパー品切れの件も、もし我が家に在庫がなくなったとすれば、ご近所さんに「困っているので一個分けてもらえませんか」と言えるだろう。反対に困っているので分けて欲しいと言われれば、迷わず差し出すだろう。

実はそんなに面倒ではない

町内会に入ると一番のネックは色々と「面倒くさそう」であろう。仕事があるので・子どもがいるので…そんなに構っていられない。休みの日ぐらいは自分の為に過ごしたい。それも本当に良く分かる。自分でさえも、町内会は良いと感じながらも、正直そこがおっくうだった。だが実際やってみると、もちまわりの資源物不燃物当番は二年に一度しかやってこなかった。

なんだ「楽」じゃないか。それどころか当番の一時間の間にご近所さんとしゃべれて楽しかった。町内のソフトボールにも誘われるが、私達夫婦はスポーツが苦手な為、やんわり断る(ごめんなさい)。それでも嫌な顔ひとつされなかった。

 ソフトボールには参加しない、仕事で応援にも行けない。それでも「打ち上げにおいでよ」と笑顔で誘われる。飲み会は大好きなので、もちろん参加する笑。公民館でいろんな方と肩を並べる。年代もバラバラ。職もみな違うので役職なんてのもちろん関係ない。忖度もなし。共通点はただひとつ「ご近所」であること。そんな仲で親睦を深める。「地域を住みやすい場所にすること」は、地域でまずコミュニティをはかることから始めなければ、進まない。

 さぁ地元の町内会にあと一歩だけ足を踏み入れてみよう。まずはそこから。きっと優しく受け入れてくれるはず。


2024年追記

町内の行事時に公民館の台所で炊きだしを行うのは、いざ“災害が起こって避難した際のご近所同士炊き出しの訓練なんだ“と聞いたことがある。台所の使い勝手、分担作業。私がこれが慣れているから…など。勝手が分かる。近所の人を知っている安心感。

ゴミ収集当番で出会う子たちも気さくにこちらに声をかけてくれる。「知ってる近所のおばちゃん」なのだ。通学途中で困った時は頼ってくれればいい。

ゴミの収集が面倒だから退会します。なんてことよりも。(わかるよだって面倒なのには違いない)だがもっと違うところに目を向けなければならないのかもしれない。特にこれからの時代は。アプリ導入がそれぞれ考えるきっかけになれば。なお面白い大村市になりそうだ。

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